2020年10月1日付けで「HYUGA PRIMARY CARE株式会社」へと社名変更しました。もともと弊社の場合、ケアプラン策定やタイサポ事業など、一般的な「PHARMACY」にはカテゴライズできない事業を手がけていましたから、社名の変更もごく自然な流れであったと、私自身は考えています。
その上で、社名変更に伴って今後目指すべきこと、変革せねばならないことがあります。


プライマリケアとは「身近にあって何でも相談にのってくれる、総合的な医療」を指します。ちょっとした体調の変化や心配ごとでも、世間話の感覚で相談できる、かかりつけのホームドクター。そんな身近さ・親しみやすさ、そして信頼感を個々の社員が持ち、会社全体で「プライマリケア」の体制を整えることが、私たちが目指すべき事柄です。


そもそも、プライマリとは「最初の」「根源の」といった意味。
「P(Pharmacy)」から「P(Primary)」へ。


2020年は、「単なる調剤薬局」を超えた地域包括ケアの実現と充実に寄与するため「HYUGA独自の業態」に向けた歩みを進めた年となりました。

 

ケアマネージャーだけ、薬剤師だけ、ではなく、社員全員が共通認識を持つことが重要であると考えています。そのためには、私たちが患者さん・利用者さんのことを、これまで以上に深く知り、理解する意識を持たねばなりません。


患者さんの身体の状態はもちろん、生活の様子などをできるだけ詳しく知ることで、それまでより数歩踏み込んだサービスを提供できる。それこそがHYUGAの付加価値なのです。


何らかの問題を抱えている患者さんに対して、社員一人ひとりが何かできることはないのかと考える。必要であれば社内で連携を図ったり、服薬指導に反映させたりする。こうした積み重ねによって、「プライマリケア」の社名に相応しい企業体質を作り上げていきたい。私はそう覚悟を決めました。

 

薬局における様々な業務の中でも、特に「かかりつけ薬剤師」は、プライマリケアの精神が最も必要だと考えています。この年に本格的に取り組みも開始しました。かかりつけ薬剤師の算定件数が多いということは、「地域内で頼られている証し」と言っても過言では無いでしょう。

 

また、ブログやFacebook等でも随時報告していますが、月に1回ほどのペースで、きらりプライム薬局募集のためのオンラインセミナーを実施しています。


セミナーを通し、今後の経営に不安を感じながらも、これといった方向性を定め切れていない薬局経営者が多数おられます。経常利益などのリアルな数字を私に見せ、アドバイスを求められたことも1度や2度ではありません。旧態依然とした仕事のままでは、薬局経営がおぼつかなくなる時代に突入しているということです。


その中で弊社は、在宅訪問調剤を始めたい、内容を詳しく知りたいという薬局に対して、きらりプライム加盟を推奨しています。私が、これだけ時間を割いてきらりプライム薬局を増やしているのは、ひとえに弊社理念である『患者さん(利用者さん)が24時間365日、自宅で「安心」して療養できる社会インフラを創る』を実現させるためです。


弊社だけで理念を実現しようとしても、どうしても限界があります。しかし、この理念に共感し、仲間となる薬局が全国的に増えれば、薬を安全・確実に届けるためのネットワークが生まれるでしょう。それが延いては、地域包括ケアシステムを確立するための「プラットフォーム」になるのです。


前述の、かかりつけ薬剤師の業務に力を入れる取り組みも、患者さんの要望があれば、処方せん無しでも医薬品の一部を購入できるようにする取り組みも、いずれも在宅患者さん(施設利用者さん)の暮らしをサポートし、「安心して療養できる社会インフラを創る」ためのもの。


弊社は、これからも地域包括ケアシステムを完成形に近づけていく「プラットフォーマー」として走り続けます。